こんにちは、ゆりです。
これは、以前私が入社直後に退職することを選択した時の話です。
近年『早期退職』という言葉をよく耳にしますが、退職理由は人それぞれだと思います。うつ病経験者でHSP気質の私は、メンタル不調が原因で退職を決めました。
繊細でストレス耐性が低い私の、本当は辞めたくなかったけれど、心が耐えられなかったという体験談です。メンタル不調になるきっかけとなった理由は、正直大した内容ではありません。しかし、どなたかの気持ちが少しでも楽になればという想いから、勇気を出して書くことにしました。
参考になれば幸いです。
「転職直後に退職する」という選択をしてしまい、会社の方々には申し訳ない気持ちでいっぱいです。日々忙しい中時間を割いて選考してくださり、契約などの手続きも一通り対応いただいた直後に辞めるというのは、本当に迷惑をかけてしまったと深く反省しています。
目次
入社した会社について
補足として、私が入社直後に退職した会社や働き方、入社のきっかけについてお話します。
会社の規模
正社員、アルバイト・パート、業務委託など全て含めて20人ほどの会社でした。
創業5年ほどのベンチャー企業で、社長さんも若く、従業員の皆さんの平均年齢は20~30代でした。
雇用形態、働き方、勤務時間
私はパート雇用、フルリモート勤務、1日6時間の週5勤務予定でした。
入社のきっかけ
仕事内容が今まで経験していた範囲だったことと、フルリモート勤務が可能という点で応募しました。選考は書類選考と面接2回でした。
1回目の面接のお相手は、人事担当の中年くらいの女性でした。とても柔らかい印象を持ち、終始リラックスして話すことができました。仕事内容を聞いたり、質疑応答する中で、会社に対しジグソーパズルのピースが次々にはまっていくような相性の良さを感じました。この会社は自分に合っているかもと強く感じたため、つい自己アピールをしていいですか?と言い、自分の強みを積極的に話すということがありました。今まで面接の場でアピールすることはほとんど無く、苦手意識を持っていましたが、今思えば「この会社に入りたい」と強く思っていたのだと思います。
2回目の面接のお相手は、社長さんでした。30代くらいの男性で、イケイケな雰囲気から苦手意識を持ちました。しかし、話が進む中で、とても頭の回転が速く柔軟で人を見る目がある方だと思いました。話し上手ではない私が今までの職歴を話すと、私の強みと思うポイントや考え方を言語化してくれ、それらがほとんど当たっていました。また、元々応募したポジションとは異なるポジションの方が合っているのではないかと提案してくれ、寄り添ってくれている感じがしました。
以上のように、自分に合っていそうと感じるとともに、面接をしてくれたお二人の人柄に惹かれ、入社を決めました。
入社前に期待していたこと
こちらも補足になります。
入社前、私はその会社で働けることをとても楽しみにして、色々な面で期待をしていました。
職場環境への期待
入社前は、きっと人柄が素敵な方がたくさん居て働きやすそうだと感じていました。理由は、採用を決めるであろう人事担当の方や社長さんの人柄が素敵だと感じていたからです。
仕事内容への期待
仕事内容が経験してきたことと似ているため、活躍する自分の姿を想像できました。
働きやすさへの期待
フルリモート勤務のため、職場の方とは程よい距離感で仕事ができそうだと思い、人間関係の悩みが少ないだろうと想像していました。
給与、福利厚生への期待
私にとってはとても時給が高く、安定した収入を得られると思い安心感がありました。
また、社会保険や有給休暇などの福利厚生がある会社だったため、長らく雇用契約を結ばない業務委託契約で働いていた私にとっては、とてもありがたく感じていました。
入社直後にメンタル不調になった理由
入社して1週間も経たないうちに、私はこの会社を辞めることにしました。
冒頭にも記載した通り、「本当は辞めたくなかった」というのが純粋な気持ちです。
入社数日後の時点で、私はベッドから起き上がれない状態になっていました。これまでの自分の経験から、この不調は長引くことが分かっていました。そして不調になった理由(後述)を考えた時に、今回と同じように職場に迷惑をかける状況が今後も起こる可能性が高いと考え、『早期退職』という選択をしました。
- 「この程度のことに耐え切れず涙が出てきた」ことが情けなく、長らく自責し続けた
- 「せっかく良い会社に巡り合えたと思ったのに…」と思い、絶望した
- ご飯を食べない日や、お風呂に入れない日もあった
- 当時実家で両親と過ごしていたが、毎日無表情で言葉を発することもせず、ただただベッドの上で過ごす日が続いた
以降にまとめた理由は、人によっては大したことがないかもしれません。
しかし、”繊細”で”ストレス耐性が低い”私がメンタル不調となったことは事実のため、参考になることを願い、思い当たる全てをここに残します。
理由①:未知への不安に緊張していたのに何もしなかった
新しい環境は誰しも緊張すると思いますが、”繊細すぎる”私は過度に緊張してしまい、入社数日前から毎日、一日中緊張しっぱなしで身体が強ばっていました。
緊張し過ぎてずっとしんどかったのですが、「こんなことは誰でもあることだから」と自分の気持ちを無視して何もせず、ただ耐えていました。
今思えば、時々深呼吸したり軽く運動したりと、身体がリラックスできることをすれば良かったと思います。
理由②:完璧を求めすぎた
入社後のオリエンテーション担当者の方に、「数日以内に10名以上の初対面の人と1対1で話してほしい」と言われました。私がこれから業務で関わることが多くなる方々と顔合わせしてほしい、という理由でした。
その日程調整は全て自分で行うようにと言われました。初日の内に以下の手順で全員分の日程調整を済ませました。
- カレンダーを検索
- 予定の空き時間を探す
- 予定を入れる
- チャットツールで予定を入れたことを連絡する
個々のカレンダーは見れる状態だったため、上記の手順をただ人数分繰り返せば良いだけの事なのですが、”完璧主義”な私は「ダブルブッキングしていないか」「人と時間の組み合わせが間違っていないか」「チャットで送ったメッセージの文面が失礼ではないか」など、極度に不安を感じていました。
そのため、日程調整をしている間は「正しい時間を連絡できているか」や「文面がおかしくないか」と何度も確認し、間違っていないと安心するまで何度も何度もカレンダーとチャットツールの文面を見返しました。
また、誰かが監視している訳でもないのに、「こんな誰でもできる日程調整に長時間を割いたら呆れられる」と思い込み、ずっと焦っていました。
理由③:「良い人と思われたい」という考えから、相手に合わせ過ぎた
理由②に記載した『初対面の方々との1対1』で、1日のうちに6人と話をした時がありました。その日のことを思い返してみると、相手に合わせすぎている自分に気が付きました。
- 『真面目に話す人』に対しては、真顔で真面目に話す
- 『楽しそうに話す人』に対しては、ニコニコ笑いながら楽しそうに話す
- 『穏やかな人』に対しては、微笑みながら優しく話す
- 『会話が続かない人』に対しては、相手をリードしようと話題を提供して自分から話す
上記に合わせて、全員に対し、大きく相槌を打ったりとオーバーリアクションをしていました。
実際話している最中は、「相手に良い印象を持ってもらいたい」という想いから、できるだけ良い空間を作ろうと懸命に頑張りました。しかし、話が終わって一人になった後は、毎回「もう嫌だ…」とかなりのストレスを感じていました。6人と話した日は、「もう嫌だ…」と思うことも6回分でした。
そして、1対1が残り数人となったある日、突然涙が溢れて止まらなくなりました。
理由④:業務外のイベントへの誘いに考えを巡らせすぎた
ベンチャー企業あるあるなのかもしれませんが、職場の方々は皆さんかなり仲が良いようで、時々イベントを開いて集まっているようでした。実際、入社して数日のうちに5回以上誘いを受けました。
そして誘われる度、率直に「行きたくない…」と思いました。
”繊細過ぎる”私にとって、大人数で集まるのはただでさえ苦手なのに、初対面の人たちばかりの環境と考えるとしんどくなるからです。
原因には”完璧主義”な性格もあったと思います。「変な人と思われたくない」という意識が強く、順応するために「たくさん気を遣わないといけない」と思い込んでいるからだと思います。
誘われた時に「もし来れたら」とは言われましたが、ずっと参加しないと「変なやつ」「ノリが悪い」と思われると想像すると、参加しないといけないのではないかと思ってしまいました。
理由⑤:「一日も休んではいけない」と思い込んでいた
私は過去のうつ病治療中に、仕事を休みがちになったことが何度もありました。その度に職場に迷惑をかけてしまったと強く後悔してきました。
この会社は、私の期待を遥かに上回るほど条件が良い会社でした。毎日働けば希望以上の収入を得られ、社会保険にも入ることができ、有給休暇もフルに得ることができる環境でした。
一定時間以上働けば会社が保険料を払ってくれるし、条件を満たせば自分が好きな時に有給休暇を取ることもできると考えると、それらをすべて叶えるために一日も休んではいけないと思い込んでいました。
まとめ~挫折から学んだこと~
私はこの会社で働けることが決まった時、期待に胸を膨らませていました。だからこそ、「入社直後に心がボロボロになり退職した」という事実を受け入れるのに、かなりの時間を要しました。
改めて、転職直後に退職をしたことによって、多くの方々に大変な迷惑をかけてしまい、本当に申し訳なく思っています。
特に申し訳なく思っていた方々には文面で謝罪しました。本当はテレビ電話(フルリモート勤務だったため)でお顔を見ながら謝罪するのが礼儀だと思いましたが、そのような余裕は無く、文面にするので精一杯でした。
前述の通り、私がメンタル不調となった理由は、人によっては大したことがないと思います。むしろ、ありふれた行動や考え方ばかりだと思います。そのように客観的に、一般論のような考えをしてみた結果、一つの答えに辿り着きました。
「あの頃の私にとって、あの会社は合っていなかった。ただそれだけ。」
そしてその後自分と向き合う中で、「自分が仕事に何を求めているのか」、「どのように働いていきたいのか」、「何に価値を感じて何に価値を感じないのか」といった自分の価値観がはっきりしました。
私が一番仕事に求めること、それは『夢中になれること』。
今まで仕事が楽しいと思ったのは、昇給が決まった時でもなければ、役職を貰った時でもない。ただ目の前のことに夢中になり、時間を忘れて没頭していた時でした。
このことに気づけたことによって、この早期退職の経験は”私の大切な人生の糧”となりました。
人に迷惑をかけたという事実は消えません。恐らく、私はこの出来事を一生忘れることはないでしょう。しかし時が経った今は、一生その後悔に苛まれ続ける必要は無いと、十分すぎるほど反省したのだから、もう囚われ続けることなく自分の人生を生きて良いのだと思うことができています。
私にとって、かけがえの無い経験になりました。
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